業務改善のプロジェクトを外部コンサルタントに依頼したのに、報告書が届いた後も現場は何も変わっていない。そういう経験をした経営者や管理職の方は少なくありません。問題は、コンサルタントの質だけにあるわけではありません。BPRプロジェクトの設計そのものに、失敗を招く構造的な問題が潜んでいることが多いのです。

「現場を見ていない」分析の限界

多くのBPRプロジェクトは、業務フローの図と担当者へのアンケートをもとに分析を進めます。しかし、実際の業務は「あるべき姿」の図とは大きく乖離していることがほとんどです。例えば、フロー図には「システムに入力する」と書かれていても、現場では「入力が面倒なので紙に書いてまとめて入力している」という運用が定着していることがあります。この実態は、現場に入らなければ見えません。

改善案が「現場に刺さらない」理由

現場の実態を把握しないまま作られた改善案は、担当者にとって「自分たちの仕事を知らない人が作った提案」に見えます。どれだけ論理的に正しくても、実行する人が納得していなければ変化は起きません。Mesh Corelabでは、改善案の草案を現場の担当者に見せ、「これは実際に動くか」を確認するステップを必ず設けています。この一手間が、実行率を大きく左右します。

「完了」の定義を間違えている

BPRプロジェクトの「完了」を「報告書の提出」に設定しているケースが多いです。しかし、業務改善の本当の完了は「新しいやり方が現場に定着した状態」です。新しいプロセスが導入されてから定着するまでには、最低でも2〜3ヶ月かかります。その期間に現場で何が起きているかをフォローする仕組みがなければ、改善は形だけで終わります。

現場調査をどう設計するか

効果的な現場調査には、観察・インタビュー・データ分析の3つを組み合わせることが重要です。観察は実際の作業を横で見ること、インタビューは「なぜそのやり方をしているか」を聞くこと、データ分析は業務ログや処理時間の記録から客観的な事実を拾うことです。この3つを組み合わせることで、「感覚」と「事実」の両方から課題を立体的に把握できます。

業務改善を外部に依頼する際は、コンサルタントが現場に入る時間をどのくらい確保しているかを確認してください。それだけで、プロジェクトの質は大きく変わります。